筑波大学大学院 世界遺産学学位プログラム
古代エジプト・文化遺産研究室
研究・教育活動
古代エジプト史・文化史の立場から、様々な研究活動や勉強会に取り組んでいます。
01 古代エジプトの正義の女神の研究
古代エジプトにおいて「宇宙の秩序」・「正義」・「真実」の意味などを包含する抽象概念であるマアト(mꜣꜥt)の研究に取り組んでいます。
特に、このマアトの概念の特殊な神格化である「二柱のマアト」(Mꜣꜥty)と呼ばれる二柱一対の神々が、古代エジプト人の思想においてどのような位置づけにあり、どのように信仰されたかについて関心を抱き、これらの神々の実体を解明するための研究を続けています。
02 エジプトの文化遺産の保存・継承のための研究
関西大学文学部の吹田浩教授が主導するエジプトの文化遺産の保存・活用のための研究プロジェクトに参加する機会をいただいたことをきっかけに、3000年以上も前につくられた古代エジプトの文化遺産を今後どのように保存・継承するかについて関心を抱いています。
特に、エジプト学の視点から、それぞれの文化遺産の歴史的・文化的価値を適切に評価し伝えるためのインタープリテーションの重要性と課題を認識し、今後新たな共同研究プロジェクトを立ち上げ現在のエジプトの遺産が抱える課題と向き合いたいと考えています。
03 古代エジプトの冥界研究
古代エジプト人が考える死後の世界観を理解する研究に取り組んでいます。特に、『死者の書』と呼ばれる死後の世界をテキストと挿絵で描写した史料(葬祭文学)に目を向け、古代エジプト人の冥界観の変遷を解明を目指しています。
04 古代エジプト語の勉強会
古代エジプト史の研究に必要な能力として、研究史料の読解に必要な古代エジプト諸語の理解は欠かせません。これらの基礎力を培うため、本研究室では古期エジプト語、中期エジプト語、後期エジプト語の3種類の言語で記述された史料を読むための学習を進めていきます。
また、東京外国語大学オープンアカデミーで「古代エジプト語講座」を開講し、学生だけでなく、広く一般の方に古代エジプト語を学んで頂く機会を提供しています。